【編集部コラム】2025年時点の地域包括ケアシステムを考える

― 「構築完了」ではなく、「深化と再設計」の段階へ ―


■ 2025年を迎えた“地域包括ケア”の現在地

2025年――この年は、団塊の世代がすべて75歳以上となり、国が掲げた「地域包括ケアシステム構築の目標年」として長らく注目されてきました。
では実際に、2025年のいま、地域包括ケアはどのような姿になっているのでしょうか。
結論から言えば、「構築完了」ではなく、「深化と再設計の段階」にあるといえます。


■ ケアの“面”は広がったが、“すき間”が残る

医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に提供する仕組みは、全国の自治体で一定程度整備されました。
特に、在宅医療や看取り支援、ケアマネジメントの標準化などは進展が見られます。

一方で、現場からはこんな声も聞かれます。
・「在宅生活を支える人材が足りない」
・「住まい支援や社会参加の仕組みが地域ごとにばらついている」
・「“医療と介護の連携”まではできても、“生活支援との連動”が弱い」
つまり、制度としての“面”は整いつつも、暮らしのすき間にある課題がなお残されています。


■ 厚労省「深化・推進」への方針転換

厚生労働省が2022年に発表した『地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について(老健局)』では、「住まい」と「生活支援・介護予防」が“次の重点分野”と明記されました。
特に、「住まい」は次回以降の議論とされており、2025年時点ではまだ十分な制度整備が進んでいない分野です。
高齢者がどこで、どのように暮らし続けるのか――この問いが再びクローズアップされています。


■ 介護・医療事業者に求められる視点

地域包括ケアは、もはや行政や専門職だけのテーマではありません。
有料老人ホーム、小規模多機能、薬局など、地域のあらゆる事業所が“生活の一部を支える存在”として役割を果たす時代です。

事業運営の現場では、次のような視点が重要になっています。

視点内容
連携医療・介護・薬局・生活支援のネットワークづくり
情報共有ICTや記録の標準化を通じた多職種連携
予防と支援の両立利用者を「支える」だけでなく「再び生活者に戻す」支援
地域参加住民・ボランティア・民間企業を含む地域共生の仕組み

■ 2025年以降に必要なのは「統合」と「柔軟性」

地域包括ケアの今後を考えるとき、
キーワードは 「統合(integration)」「柔軟性(flexibility)」 です。

統合とは、医療・介護・生活支援の制度やデータが“つながる”ことで初めて見えてくるケアの全体像を意味します。
柔軟性とは、利用者の状態や地域の特性に応じて“制度のすき間を埋める”仕組みを作ること。
この2つを両立させることが、2025年以降の地域包括ケアの本当の課題といえるでしょう。


■ ココカラ編集部の視点

介護・医療・薬局・生活支援――どの現場にも共通するのは、「人の暮らしを支える」というシンプルな目的です。
地域包括ケアの本質は、制度や仕組みの統合だけでなく、“暮らしの中で支え合う関係性”を再構築することにあります。

2025年を区切りとして、次の10年は“ケアの現場から社会を変える時代”が始まります。
coco-cala.comでは、これからも現場と制度をつなぐ視点で、地域包括ケアの「これから」を追い続けます。


coco-cala.com 編集部
(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について」令和4年5月、老健局高齢者支援課 p. 27「在宅医療・介護連携」節)

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