【厚労省検討会】有料老人ホームの「望ましいサービス提供のあり方」最終とりまとめ(令和7年10月31日)
■ 概要
令和7年10月31日に開催された「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第7回)」では、厚生労働省より「とりまとめ(案)」が提示され、今後の制度改正の方向性が整理されました。
この検討会は、入居者の重度化や医療的ケアの増加、住宅型ホームの多様化などを背景に、有料老人ホームの制度や運営基準を見直すことを目的としています。
■ 主な論点と方向性
① 有料ホームの位置づけの再整理
- 有料老人ホームは「住まい」でありながら、「介護・医療・生活支援」が一体的に求められる場へと変化。
- 現状では、住宅型・介護付きの区別が曖昧になりつつあり、制度上の届出制の限界や監督体制の不均衡が課題として指摘。
② 現状の課題
- 中重度者・医療的ケア対応ホームの増加に対して、人的体制や安全管理が追いついていない。
- 関連法人による囲い込み(他事業所利用の制限)など、利用者の選択の自由を妨げる事例が存在。
- 入居契約や重要事項説明が形骸化し、透明性や説明責任の不足が懸念される。
③ 今後の制度化に向けた方向性
(1)登録制の導入
- 現行の「届出制」から、一定基準を満たす施設のみが登録できる「登録制」へ移行を検討。
- 登録基準には、人員配置・医療連携・安全確保体制などを明記し、更新時にも再審査を実施。
(2)囲い込み対策の強化
- 入居者が他事業者の介護サービスを自由に選べる仕組みを明確化。
- 契約書・重要事項説明書への「サービス選択自由」の明示を義務化へ。
- 紹介料や提携事業所の関係性も透明化。
(3)監督・情報公開の強化
- 都道府県・市町村による定期的な監査・報告制度を強化。
- 施設情報(人員配置・事故報告・苦情件数など)の公表制度を整備。
- 行政による立入調査・指導の基準を明文化。
(4)質と人材の向上
- 職員研修・医療連携研修を義務化し、重度者対応力の底上げを目指す。
- 生活の質(QOL)を重視したケアの実践を促進。
■ 今後のスケジュール
- 本「とりまとめ案」をもとに、厚労省は法令・告示改正の検討に着手。
- 登録制・監督強化などの制度改正は、令和8年度以降の段階的実施が想定されています。
- 既存施設への経過措置や電子申請化も検討中。
■ 運営者に求められる対応ポイント
| 項目 | 対応の方向性 |
|---|---|
| 登録制への移行 | 運営基準・人員配置を見直し、登録基準への対応準備を進める |
| 契約・説明書類の整備 | 「選択の自由」「外部サービス利用」等の明文化 |
| 囲い込み防止策 | 関連事業所との関係性・紹介ルールの透明化 |
| 研修体制の強化 | 医療連携・リスクマネジメント・虐待防止などの教育強化 |
| 情報公開 | ホームページ・パンフレットでの運営情報の公表 |
■ 編集後記(coco-cala編集室より)
今回の検討会の方向性は、「入居者の尊厳と安心の確保」と「運営の質と透明性の両立」が軸にあります。
介護・医療の連携が求められる中で、有料ホームも「住まい」から「地域ケアの拠点」へと進化していく段階にあります。
今後の制度改正に備え、人員・体制・契約・情報公開の4本柱を早期に整えておくことが、持続的な運営の鍵になるでしょう。
■ 出典・参考資料
- 厚生労働省:有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第7回)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65547.html - 厚生労働省 老健局高齢者支援課「とりまとめ(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001573535.pdf - H-CRISIS(国立保健医療科学院)公開資料ページ
https://h-crisis.niph.go.jp/?p=1573535 - 通商通信(TsuuSho.com)報道記事
https://tsuusho.com/news/article/%E3%80%90%E6%9C%89%E6%96%99%E8%80%81%E4%BA%BA%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%88%B6%E5%BA%A6%E8%A6%8B%E7%9B%B4%E3%81%97%E3%81%B8%E3%80%91%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%81%E3%81%8C%E6%9C%80%E7%B5%82%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%A1%88%E3%82%92%E6%8F%90%E7%A4%BA


